『西洋音楽史大図鑑』 紹介

 しまうまカウンセリングは毎月「今月の本」を選んで面接室に置いています。注目の新刊書、スタッフの気まぐれや趣味など、本の選定理由は様々です。2月の「今月の本」の1つとしてスティーヴ・コリッソンほか著『西洋音楽史大図鑑』(藤村奈緒美訳、ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス https://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTB01097833)を紹介します。

『西洋音楽史大図鑑』はそのタイトルどおり、大きな図鑑です。動物や植物の図鑑と同じく写真や図表がふんだんに掲載されています。地図、楽譜、楽器、絵画、作曲家の肖像画や写真、曲の成り立ちがわかる図や記号といった様々な材料をもとに、この図鑑は紀元前にさかのぼるといわれる西洋音楽の歩みをたどります。歴史の本ではありますが、順番に沿って読む必要もなく気楽に楽しめます。知っている作曲家のページ、今聴いている曲が載っているページ、興味のある時代や地域のページなど、自分の好きなところを起点に、その前にはどんな音楽があったのだろう?その後の音楽はどう変わっていったのだろう?などと、どんどんページをめくっていきます。

たとえば、19世紀初め頃から20世紀初頭までの「ロマン派」の部分を見てみると、ヴァイオリンの超絶技巧で名を残したパガニーニ、数々の美しい歌曲を書いたシューベルト、ピアノを弾く人なら誰もが憧れるショパンなど、様々な作曲家たちが登場します。このような多種多様な分厚い層が「ロマン派」という1つの時代を築いているのです。ロマン派がわかってくると、その前の時代やその後の展開も気になってきますね。ページをめくることで、私たちは音楽史の中の時代や場所を行き来できるのです。

ここで扱われているテーマは音楽です。実際に音を聴きながら本文や図版を眺めると、より楽しくなるでしょう。ぜひ、本文中に出てくる曲のタイトルを検索して、実際に音を聴きながら読んでみてください。クラシック音楽が中心なので長めの曲が多いかもしれませんが、曲を聴きながら読むと、この図鑑がまるで音の出る絵本のように見えてきます。

受付 加藤マイ