インターネットの世界では、是非はともかく、プログやSNSなどで個人的な悩みを自ら公開している人もいます。自分の責任でそうしているならまだしも、他人のプライバシーとなると、扱いに慎重になる必要があります。個人情報の適切な扱い方を学ぶことは、現代を生きていくうえでかなり重要です。
自分が現在経験している人間関係のトラブルなどは、天気を話題にするように誰にでも簡単に話せるものではありません。人の悩みというものは、きわめてプライベートなものです。心理カウンセラーはデリケートな個人情報を扱う仕事として典型的なものの一つでしょう。
相談に訪れる人の中には、自分が話した秘密が外に漏れないかを心配する人が少なからずいます。そういう気持ちが出てくることは自然なことです。秘密が守られていることが保証されていないと、安心して自分の気持ちを話すことはできません。
臨床心理士や公認心理師には守秘義務や秘密保持義務と言われるものが課せられています。相談で知り得た情報をむやみに第三者に伝えることはできないのです。これらの資格を目指す学生には、秘密を守ることは必ず教えられる基本的なことです。秘密をどう扱うかで、カウンセラーの技量がわかるとも言われるぐらい大事だと言えます。
カウンセラーにとっては、面接を効果的に進めていくにあたって、どうしても押さえておきたい情報があります。たとえば、ご本人の年齢や職業、家族構成などは、相談者を理解するうえで重要かつ基本的な情報です。これらを聞いていくときには、決してカウンセラーの興味本位で尋ねているわけではありません。相談者をわかるために核となる情報なので聞いているわけです。
相談者を正しく理解しないと、適切な対応もできなくなります。状況や感情をなるべく具体的に話してもらったほうが、援助する側としてもイメージしやすくなります。
職場の名前を知られてしまうと、カウンセラーが勝手に上司などに連絡をしてしまうのではないかと心配されるケースもあるかもしれません。しかしそのようなことはありませんので、安心して利用してください。滅多にありませんが、もし万が一何かの事情で連絡をとる必要がある場合は、私は相談者の同意を得たうえで行います。
カウンセリングで話すとき、あまり言いたくない個人情報も当然あると思います。カウンセラーは援助をしていくうえでどうしても必要な情報以外は、 基本的に無理に訊き出すことはしません。 相談者は言いたくないことを話さなくていい自由もあります。カウンセラーはその自由を尊重していきます。
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