カウンセリングに来談される人のなかには、「こんな相談をしてもいいのかわからないですけど…」という前置きで、お話を始められるような場合があります。どんな気持ちなのかをここで考えてみましょう。今回は10代の人にもわかる言葉で説明します。
① 自分が相談したいことが、はたしてカウンセリングで扱える内容なのか、正直言ってわからない場合もあるでしょう。カウンセリングという言葉は、日本ではここ数十年で広く知られるようになってきた経緯はあるものの、具体的にそれがどう進行するかを明確にイメージできる人は、まだまだ少ないかもしれません。初めてカウンセリングを受けるにあたって、何をどう話したらいいのかわからない人は、あなただけではありません。
② また、自分が相談したいことが、何か取るに足らないことのように思われるような場合もあるかもしれません。それを話して、カウンセラーに軽蔑されるのではないかとか、ひょっとしたら怒られるのではないかと心配する人もいるかもしれません。もしかすると、すでに身近な人にその内容をお話されて、軽くあしらわれてしまった経験があるのかもしれません。そういう経験をしてしまうと、カウンセラーにもそう思われやしないかと考えても不思議ではありませんね。
まず①については、たとえば典型的な例で言うと、身体的な症状があって、背後に心理的要因も存在するケースがあります。そういう場合は、相談する人にとっては、医師に相談すべきか、カウンセラーに相談すべきかわからないですよね。
でも安心してください。カウンセラーは丁寧にお話をお聞きして、医療機関など他の機関の利用(あるいは併用)が望ましい場合は、その必要性を説明していますし、お勧めの機関がある場合は情報提供もしています。このような紹介の対応は、カウンセラーにとって基本的な仕事の一部になっています。
また、悩みをうまく説明できない場合でも、その違和感を一緒に明らかにしていくカウンセリングも可能です。自分の言葉でいいので、まずはそのモヤモヤについて表現してみましょう。カウンセリングの進め方がわからない場合でも、そのやり方から説明していくことも可能です。
そして②については、カウンセラーはどのような相談内容を持ち掛けられても、その内容を尊重して傾聴するように訓練されています。自分で取るに足らない相談のように思えたとしても、あなたがそのことで悩んでいるのであれば、それは丁寧に扱われる必要があります。あなたが気になることは、あなたにとって何か重要な意味を持っていることがしばしばあります。
身近な場所に耳を傾けてくれる人が見つからない場合や、とても身近な人には言えない相談内容の場合でも、むしろカウンセラーはそのような人の話に向き合うために仕事をしているのです。
(オオバン)
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