すっきり感
- しまうまさん
- 5月8日
- 読了時間: 2分
カウンセリングの面接では、人間のこころを扱うだけに、いろんな身体感覚や気分感情が語られることが通常です。なかでも、今回は「すっきり感」に着目してみましょう。
カウンセリングに訪れる人は、何らかの「すっきり感」を求めていることが多いでしょう。みなさんは、「すっきり感」の正体について考えてみたことがありますか?
たとえば、うつ病の場合を考えてみましょう。うつ病の場合は睡眠障害の症状が現れることが多く、起床時に「気持ちよく起きられない」と訴える人がいます。睡眠が改善してくるにつれ、朝起きた時にすっきり感を味わえることができるようになります。
また、うつ病になると気分がどんよりしているものの、泣きたくても泣けない状態になっている人もいます。「もし泣けたらすっきりするかもしれない」という人もいます。カウンセリングでつらい気持ちを言葉にして涙を流せるようになって、晴れ晴れした表情で帰っていく人もいます。
さらには、うつ病になるとささいな行動に関しても億劫になって、部屋などを片づけることに気が進まなくなることもあります。周囲の家族は心配して、「ふだんよく居る場所を整理整頓すればすっきりするのでは」などとアドバイスすることもありますが、本人はその作業をかなり先延ばしにすることもあります。
以上、ぐっすり眠れた時や、気持ちを吐き出した時、部屋を片づけた時の「すっきり感」をざっと見てきました。他の場合もいろいろあると思います。しかし、共通しているのは、身体・気持ち・環境の重荷が取れたり、整理されたりしたときに、この「すっきり感」が生じるイメージです。
とくに睡眠は重要で、それは感情や記憶の整理、すなわちこころの修復や未来への備えに大切な働きをしていることが、近年の神経科学・心理学の研究によってわかってきています。
参考文献
NHK(2025年5月5日) 睡眠は未来の記憶にも影響か 富山大学などの研究チーム発表
讀賣新聞オンライン(2025年4月29日) 記憶力アップ やはり睡眠が重要、寝ている間に脳内に「記憶の保存場所」準備…富山大などチーム

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