アンガーマネジメント

今回はアンガーマネジメント(怒りのコントロール)の基本についてお話しします。ある日、駅の通路で立ち話をして通行の妨げになっている人々がいました。私はちょっとイライラしてしまいました。このように、人と関わっている時、いろいろな場面で相手にいら立ちを感じることがあります。そうなる原因はさまざまなものが考えられます。


たとえば、相手の態度に失礼さや不誠実さを感じた時もそうでしょう。自分に余裕がなかったり、何かうまく行かないことを抱えていたりすると、相手に対して容易に攻撃的な気持ちが生じてしまうこともあります。相手に非現実的なことを望んでいる場合も、そうなりがちです。今回はこの「過剰な期待」について考えてみたいと思います。


私たちは他者と関わっているとき、意識する・しないに関わらず、相手に対して何らかの期待感を抱いていることが多いです。ある親は子供に対して、「着替えは手伝ってもらわなくても一人でできるはずだ」と思っています。その期待が現実の子供の能力に見合ったものであれば、問題はありません。子供はおおむね親の期待通りに動いてくれるでしょう。


ところが親の期待と子供の現実にずれがある場合はどうでしょうか。子供が親の思うレベルにまで自立していない時は、子供は親の思い通りに動くことができず、失敗してしまうかもしれません。期待を裏切られた親は、失望やいら立ちを感じることもあるでしょう。


子供が基本的に依存的な存在であるのは言うまでもありません。ところが、親が子供に対して抱くこの「自立性への期待」が大きければ大きいほど、それが裏切られた時の親のいら立ちは大きくなってしまいます。極端な場合はこれが虐待の一因になってしまうことを示す研究があります。


もし自分が周囲の人へいら立ちを感じやすくなってきていると気づいたら、立ち止まって考えてみましょう。もしかすると相手を思い通りにしたい気持ちが大きくなっているのかもしれません。周りの人への「期待のレベル」を見直してみましょう。「それぐらい当たり前にできるはずだ」と期待していたことが周りの人にとっては「実際はかなり難しいこと」なのかもしれません。


「期待のレベル」が変化すれば、相手に対する関わり方もより現実的になり、いら立ちを感じることも少なくなるでしょう。そうすれば気持ち良く生活できるようになります。