たとえば、人がなぜコンビニエンスストアに行くのかを考えてみます。目的をもって立ち寄るにしても、ふらっと訪れるにしても、たいていは何かを買うためですね。そうでない場合は、何かの振り込み用紙の支払いをしたり、預金を引き出したりする目的かもしれません。
カウンセリングの場合はどうでしょう? 一般的に言うと、それは困りごとの解決であったり、予防的な対処であったり、成長への期待であったりするわけです。
さらに具体的にカウンセラーにどう対応してほしいかを聞いていくと、さまざまな要望が出てきます。すべてを挙げることは難しいですが、よくあるものを10個ぐらい思い出してみます。
① 状況を整理して、どうしていけばいいのか見通しをつけたい。
② 第三者から見るとどう見えるか、意見を聞きたい。
③ 困った人への理解の仕方や接し方を知りたい。
④ 症状を改善したい。
⑤ 医療機関にかかることが必要かどうかを教えてほしい。
⑥ 〇〇療法を受けたい。
⑦ 助言や情報がほしい。
⑧ あれこれ言わず、ただ話を聞いてほしい。
⑨ つらい時期は、話を聞いて支えてほしい。
⑩ 長年の問題が解決するまで、長期にわたって面接を続けたい。
カウンセリングに本格的に従事したことがある人なら、多様なニーズがあることを誰もが知っています。相談に訪れるすべての人が、長期間の面接を望んでいるわけではありません。また、すべての人が内省的な取り組みをしたいわけでもありません。アドバイスを求めている人もいれば、じっくり傾聴してほしいという人もいます。言語的なやりとりが得意でない人もいます。
さらに言えば、非自覚的な、無意識の要望というものもあります。他人にカウンセリングを強く勧められて来たけれど、いまいち何だかよくわからないという人もいます。
私としては、相談される方のニーズをなるべく正確に把握するように努めています。これはとても大事なことだと考えています。クライエントがどのようなカウンセリングを望んでいるかを理解したうえで、臨機応変にできることは行い、できないことについては代替案を提示することもあります。
こういう要望でも大丈夫かなと心配な方は、一度カウンセラーに相談してみるといいかもしれません。要望についての話のやりとりは、満足のいくカウンセリングを受けるうえで重要です。
カワウ(水元公園)
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