プロセスを共に歩むこと



今回は私のカウンセリング体験を踏まえた架空の創作事例の話をします。ひきこもりのケースになります。

あるひきこもりの息子さんを持つご両親は世間体や経済的なことを考えて、「ずっと家にひきこもって、この子は将来のことをどう考えているんだろう?アルバイトでもいいから早く働いてほしい」と考えています。ご両親としてはそう考えるのももっともなことでしょう。ところが面と向かって働くように説得しようと試みるものの、ことごとく息子さんに不機嫌な顔をされてしまいます。時には喧嘩のようになって、息子さんが暴力的になる出来事まで生じました。やがてご両親も疲れてきて、何も言わなくなっていきました。

困ったご両親は、助言を求めてご両親自ら、息子さんのためにカウンセリングを受けに行くことにしました。カウンセラーはご両親から詳しい事情を聞いた後に、ご両親の苦労をねぎらい、ある程度長期戦になりそうなことと、これからは息子さんのことをよく観察して、少しずつでも良くなってきている兆候に気づくようにと伝えました。そして現在できる関わりを、小さいことでもいいので大事にしていくようにと助言しました。

それから長い時間の経過とともに、「部屋のカーテンを開けるようになった」「将来の仕事の話は避けてしまうが、テレビ番組の話はするようになった」「自室から出てきて家族と一緒に食事を取るようになった」「頼めば家事を手伝ってくれるようになった」「以前は髪を伸ばし放題だったが、散髪に行くようになった」「たまにコンビニに行くようになった」等の変化にご両親は気がつくようになっていきました。一歩ずつ息子さんが良い方向に歩んでいることをご両親は肌で感じるようになりました。少しずつでも前に進んでいる実感が持てたため、ご両親も長期戦に耐えていくことができました。

つまり今できていることに目を向けずに、社会参加をしていない息子さんを責めるだけではなかなか改善は見込めないということだと思います。大事なことは、社会参加をして働くことが最終目標だとしても、焦らずに回復のサインを見逃さないようにしながら、ご両親が息子さんと共に一歩一歩プロセスを着実に歩んでいくことだと思います。(ひきこもりには多様な事情があるため、ケースにより助言は異なります。お困りの方はぜひカウンセリングをご利用ください)



しまうまカウンセリング

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