今の大学生の孤独

コロナ禍は大学生の生活にも大きな影響を与えています。しまうまカウンセリングにも大学生の相談者の方々は訪れています。彼らのお話を聞いていると、厳しい状況が見えてくることがあります。個々の相談者の方のプライバシーを守りながら、一般的な状況をまとめてみたいと思います。


高校生の時とは違い、大学生になると履修の仕方によって講義やクラスの友達がばらばらになります。また、実家から離れて一人暮らしを始める人も増えます。それに加えてコロナ禍の世の中ではオンライン授業がメインになったり、アルバイト先も稼働する人員を抑制したり営業自体を自粛したりすることで、現在の大学生は人と触れ合う機会が激減し、いやでも孤独にならざるを得ない状況が生じています。実家の両親やきょうだいに感染させないようと気遣って、帰省しない学生もいます。制限された状況の中でも積極的にできることを見出して活動する学生もいる中、買い物以外はひきこもってオンライン授業とレポートの課題に追われて疲弊している一人暮らしの学生も多いのです。もともとあった心理的な問題が、この特殊な状況の中で悪化しているケースもあるようです。


コロナ以前からある程度孤独に耐性のある人はまだしも、もともと活動性が高く社交的な人にとっては、この孤独を強いられる状況は非常につらいものになることがあります。ましてや青年期は本来エネルギーに満ち溢れ、友達と遊びたい気持ちも旺盛な時期です。孤独を癒すためにSNSにコミュニケーションを求め、深夜まで携帯と向き合って生活リズムを乱しているケースがあるかと思えば、普段なら笑って許せるような彼氏や彼女の冗談にイライラがつのり、喧嘩をしてしまうようなケースも出てきています。アルバイトでの収入が減少し、経済的な不安を感じている学生も増えています。先日は筑波大学が仕送りや収入が減った学生のために無料の食糧支援を実施しました。約3000人の学生が受け取りに来て、約6時間で約20トン全部の食料がなくなったそうです。


いろいろな大学が実施した調査では現在の大学生の1~2割にうつや不安の症状が見られるという結果が出ているそうです。もし物事に興味が持てず、やる気が低下し食欲がなく眠れないような状態が2週間以上続くようであれば、心療内科や精神科を受診する必要があります。深刻なうつ状態が続き、ネガティブな気持ちから衝動的に大学を辞めたいと考える学生もいるようです。そのような決断には慎重になることが必要です。私のカウンセリング経験から言うと、そういう気持ちになった時は必ず前もって誰かに相談した方が後で後悔しない判断ができると思います。


もし自分が心療内科や精神科に行っていい状態なのかわからない気持ちがあり、そういう場所にいきなりは入りにくいと感じている方がいたら、まずカウンセリングを受けてみてください。カウンセリングを受けるためには、別に病気でなくても全く構いません。カウンセラーは健康度の高い人の日々の生活のちょっとした疑問や困りごとも馬鹿にしないで誠実に対応してくれます。孤独な気持ちを話してみませんか?みなさんのペースに合わせてカウンセラーはお話をお聞きします。


参考記事

「父との電話で涙があふれました…」 コロナ禍で一人暮らしの大学生が追い込まれる孤独 Yahooニュース

 筑波大が食料支援、20トン配布 学生3千人が行列 朝日新聞デジタル