伝えるタイミング

私たちはものごとを伝えるタイミングを間違えることで損をしている場合があります。そういうことは意外に多いのかもしれません。周囲の空気を読めなかったり、衝動性に負けてしまったりすると場違いな発言が生じることがあります。


たとえば、夫婦喧嘩の最中、感情が高ぶっている時にここぞとばかりに相手に言いたいことをぶちまけてしまったら、お互いに火に油を注ぐだけかもしれません。そんな時はひと晩眠って落ち着いてから伝えれば理解してもらえることもあるかもしれません。


また、ある人が難しい資格試験に合格してみんなで喜んでいる場面で、「受かったのはスタート地点に過ぎないよ」などと仏頂面で忠告したら雰囲気が白けてしまうかもしれません。まずは一緒に喜んであげるのが素直な対応でしょう。


職場であれば、上司が走り回って忙しそうな時に相談に行っても、まともに相手にしてもらえずがっかりする時があるかもしれません。上司の作業が一段落した時に話を持ち掛ければ、十分に時間を取ってくれるかもしれません。


このように、日常生活でも仕事の場面でも、私たちは相手に何かをわかってもらいたい、何か行動を起こしてもらいたいなどの目的をもって相手に何かを伝える場合が結構あります。ところが、タイミングを誤ると意図した目的の半分も達せられないということが起きます。

たとえ伝える内容がいくら正しくても「今は言わない方が良い」ということがあります。


とくに大事なことを伝える場合はなおさら、いつ言うか、誰が言うか、どんな場面で、どんな表現(身振り表情も含む)で言うかなどが大事になってきます。話の流れとして自然になるように、相手が唐突感を抱かず、素直に受け入れられるタイミングで伝えることが重要です。それはコミュニケーションのちょっとした演出、そして大げさに言えば戦略みたいなものです。


カウンセリングの場面でも、外から与えられた言葉としてではなく、内側から湧いて出た言葉として相談者の人があることを自発的に語り始めたら、そのことを取り扱っていくチャンス到来だとカウンセラーは考えます。なんとなく感じ始めたモヤモヤを、カウンセラーと一緒に言葉にしていけた時、とても納得できる感覚が生じます。



                   (ヒヨドリ)