外向性に価値を置く考え方の是非(2)

前回の文章の中で私は人の性格は外向的性格と内向的性格に分けられるというニュアンスで書きました。このような分類は世の中一般でも、心理学の専門領域でも普通に行われており、妥当なものだと思います。ただ話はそう簡単ではありません。ここで外向性と内向性の概念をさらに深く考えてみましょう。


心理学ではひとりの人間個人の中にも外向的な要素と内向的な要素があるという考え方もありえます。おおむね外向的な人でも、たまに陰に隠れていた内向的な部分が顔を出す、などという例もありますし、その逆もあり得ます。

また同じ外向型でも、思考機能が優勢なタイプがいたり、感情機能が優勢なタイプがいたりします。内向型でも同じようなことが言えます。個人の人生を時間軸に沿ってみた場合でも、外に向かう時期と内に向かう時期が顕著に出る人もいるようです。程度の違いはあると思いますが、誰しもそういう波はあるのではないでしょうか。


視野を広げて、集団的な文化というものを考えた時に外向的・内向的という概念を用いることも可能です。日本の文化は伝統的には内向的な文化であると言われています。一方アメリカなどは外向的な文化と言えるでしょう。もちろん個人のレベルで見ればいろいろ差があるわけですが。


こう見てくると、外向性・内向性という一見単純そうな概念も、結構奥が深いことがわかると思います。外向性・内向性の議論に興味のある方は、たとえばユングの性格論を読んでみるといいかもしれません。こういう見方を知っているカウンセラーであれば、「あなたは内向型だからこうしなさい」などと即座に決めつけたりしないで、じっくりお話を聞いて本当のところを見極めようとするはずです。

ハクセキレイ