「コロナ太り」という言葉があります。外出の機会が減ったことで運動不足になったり、他に楽しみがないので食べることでストレス解消をしたりして体重増加につながっている人は、私も含めてかなり多いようです。
体重が増えると生活習慣病のリスクも高まってしまいます。中には、間食をやめ運動をすることで、体重増加をうまくコントロールしていく人もいます。しかし中には、食べなかったり食べすぎたりすることが過剰になって、生活や仕事に支障が出てくる人もいます。そうすると「摂食障害」という病気かもしれません。患者さんの9割以上が女性といわれています。10~20代の発症率が高く、最近は小学校の高学年などでも見られ、低年齢化してきていると言う人もいます。
拒食症の場合は極めて少量のものしか食べられないか、あるいは全く食べられなくなることもあります。周囲の人から見ると痩せているにもかかわらず、自分では太っていると感じてさらに体重を落とそうとします。栄養を十分に摂取できていないため、身体に影響が出る場合もあります。生理が来なくなったり、低体温になったりむくみが出たりして、栄養失調の状態になり入院が必要になることもあります。悪化すると命の危険もあるのです。
過食症の場合は家族の見ていないところで、または夜中などにご飯を大量に食べたりすることがあります。衝動に抗えずに食べますが、その後には後悔の気持ちが出てきます。むちゃ食いをした後に自分でのどに指を入れて吐く人もいます。
治療には精神科の薬を使う場合もありますし、カウンセリングや栄養指導も効果的です。程度によって適切な対応方法は変わりますので、お困りの方はそのこともご相談ください。カウンセリングでは、個別的な事情に対処していくことはもちろんですが、摂食障害の場合は自分の体型イメージの歪みに対するアプローチや、100%を常に目指す完璧主義・自己愛傾向や自己評価の低さなどに対して改善を試みるアプローチ、さらには家族に対するアプローチなどを必要に応じて行うことが多いです。
ご本人が病気を認めたくない、または治療の意欲がないなどの理由で、来談や受診をためらうケースもあります。そのような場合はご家族のみのご相談から開始することもできます。
アオサギ(水元公園)
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