心理検査を始めます。

はじめまして。しまうまカウセリングで心理検査を担当することになりました高木です。

少しずつですが、このブログを通じてみなさんとお話しできれば嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

先日、和菓子を3Dプリンタで作るというニュースを見ました。ここのところ技術の進歩はめざましく、私たちの日常にも浸透し、便利な世の中になったなあと実感します。私の家にも知りたいことを声かけると答えてくれるスピーカーがいます。これはこれで便利ですごいなあと思うのですが、便利になればなるほど削ぎ落とされた部分が気になってしまうのはこの仕事をしているが故なのでしょうか。

中学生の時、教科書に出てきた英単語をひたすら辞書で調べてくるという宿題を出す英語の先生がいました。例えば『pretend』という単語ならば『pre』 と『tend』に線を引き、それぞれの意味から語源、ほかの表現まで調べるなど細かく聞いてくるものでした。もうその先生のお名前も思い出すことができないのですが、当時すごく大変で苦しんだことは覚えています。けれど、そうやって辞書に頭を突っ込んで読んでみると、単語の作られた背景や日本語での表現とニュアンスの微妙な違いなどが見えてきて、興奮に似た感動を感じたことを覚えています。その感動がその時どまりでその後の私の英語力に繋がらなかったのは残念なことですが、今でも思い出として心に残っています。

それで前述の3Dプリンタやスピーカーに戻るのですが、何が物足りないのかとふと考えると、再現のすごさに驚きはするものの、和菓子であったら職人さんの込めた思い、そこに至るまでの日々の鍛錬、英単語であったら時代とともに移り変わって来た表現などまでは感じられないことでした。

かつて心理検査は「非人間的だ」と批判されていた時代がありました。それは心理検査が問題なのではなく、それを取り扱っていた私たちの問題でもあります。結果を解釈することにばかり重点が置かれていたため、結果ばかりを見ていてその人を見ていなかったとも言えます。それで「あなたはこうです」と伝えることは、一方的な決め付けで乱暴的なやり方だったとも思います。心を見るのは私たち専門家だけではありません。その人それぞれに自分のことを思い、感じてきた背景があります。クライアントさんの『語り』にも耳を傾けて、はじめてその人らしさが感じられてくると私は思っています。ですので、心理検査での相互的なやり取りは、大切な営みの一つでもあると考えています。

検査を受けるという行為は、知りたいという気持ちと知るのが恐いという気持ちと両方を含みます。だからこそ心を見つめる作業は、削ぎ落とすのではなく、じっくり時間をかけて一緒に取り組みたいと思っています。

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