『しくじり先生』というテレビ番組があります。「失敗から学ぶ」ということも大事なことでしょう。でも、あまりに失敗のことばかり考えて反省モードに浸かりきってしまうと気が滅入ってきて、重たい雰囲気になってきます。こうなるともう何も考えたくない気持ちになってしまいますね。
そういう時は成功した時のことを考えてみるのも良いでしょう。成功と言うと、何か大きなことでないといけないと考える人もいると思われますが、そんなことはありません。それは日常生活の中のささやかな喜びでも、ちょっと満足した体験でも構いません。
自分が「失敗続き」だと考えている人は、うまくいったことをなかなか思い出せないかもしれません。でもそれは忘れているだけかもしれません。事実を丹念に探っていけば、うまくできた時の記憶を見つけられることも多いのです。
思い出せたら、こう考えてみましょう。「あの時、なぜうまくいったのだろう?」「それは偶然だったのか?」「何かいつもと違う要因があったんじゃないか?」と。一度でもうまくやれたということは、自分にはそれをやれる力がゼロではないということです。また、うまくいった事実とうまくいかなかった事実の数を冷静に数えてみましょう。どっちが多いですか?失敗の数は思っていたよりずっと少ないかもしれません。
こう考えると、なんとなく漠然と「全部がうまくいかない」感じだった気分が、「うまくいった時もあったんだな」という感じに変化することがあります。気持ちの中に少し光が射してきて、前より身軽になっていることでしょう。
私は昔カウンセラーになりたての頃にこのテクニックを学んで以来、カウンセリングの中でたまに愛用しています。うまくいけば相談者の方は笑顔になって帰っていかれます。

Comments