活性化すること

化学の「活性化エネルギー」という概念を知っていますか?化学反応は、ある物質とある物質が混ざり合い、ぶつかり合って起こる反応を言います。ただ、化学反応は物質を混ぜると必ず起こるわけではなく、熱や光を放出すために必要なエネルギーを粒子が持っていないと起こらないそうです。この必要エネルギーを「活性化エネルギー」と言うそうです。なかなか面白い概念ですね。


わたしたちの生活の中でも「活性化エネルギー」があると思います。


「やらなきゃと思うけれど、なんとなくやる気が起きなくてつい後回しにしてしまう」ことはないでしょうか。実際、うつ病や、ADHD(注意欠陥多動性障害)の方たちから、物事を取りかかることのこのような困難さをよく聞きます。何か物事を始めるのに必要なエネルギー(=「活性化エネルギー」)が低いため、次の行動(=化学反応)にならずなかなか動けなくなっているのです。


病院では、こうした状態を促進するために投薬治療などで脳に働きかけたりします。お薬の力を借りるのも方法の一つですが、日常生活の工夫でも改善につながることもあります。


「活性化エネルギー」は、活性化状態になるために必要な“最小”のエネルギーを言います。この“最小”のというがポイントなのです。


わたしたちは、物事をやろうと考える時、つい完成した姿を思い浮かべ、目標とします。特にうつ病やADHDの人は、この完成形にとらわれやすい傾向があります。そこでハードルを高く感じてしまい、やることが億劫になってしまうのです。


つまり、何かやろうとするときは、この、活性化状態になるための最小エネルギーを用意してあげるということです。なんでもよいので小さな簡単なことから始める。運動したいと思ったら、まず朝、朝日を浴びるということでもよいと思います。ゴミ捨てをするだけでも、身体を動かすことになります。そしてその後、化学反応を感じたら(朝日を浴びたらすっきりしたなど)、それはあなたの「活性化エネルギー」になります。こうした小さなことから始めて続けていくと、自分も活性化されるでしょう。


「活性化エネルギー」は意外と身近なところにあったりします。周りの小さな「活性化エネルギー」を探してみませんか。

     東山動植物園温室前館