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私のアプローチ⑨

EMDRについて2

 みなさんこんにちは。しまうまカウンセリングでカウンセラーをしている望月です。前回からは、私が日々のカウンセリングの中でとても便利に使っているEMDRという心理療法についてお話させていただいています。前回はこのEMDRが生み出されたちょっと面白いエピソードをご紹介させていただきました。

このEMDRは以前お仕事をしていた職場の先輩からご紹介されてトレーニングを受けました。そもそもは、前回の持続暴露療法(長時間暴露療法)通称PE療法同様にPTSDに有効なトラウマをターゲットとした心理療法だからトラウマで苦しむクライエントさんの役に立てるかもと思い学び始めました。まだまだ、ひよっこなのですが、持続暴露療法(長時間暴露療法)通称PE療法よりも使い勝手が良いのは、PTSDのように事件や事故のような大きなイベントがなくても用いることができるという点です。例えば、子供の頃言われて傷ついてしまって今でも影響があるような一言を言われてしまったという小さなトラウマもターゲットにできます。他にも子供の頃皆で遊園地に行って迷子になってしまって以来「人混みが怖い」とか「私は棄てられてしまう」という思いが強くなってしまった方などにもEMDRは効果的です。

また、最近ではこうしたトラウマに留まらず、摂食障害などの依存症や愛情に答えてくれない拒否的あるいは非機能的なパートナーへの執着をターゲットにEMDRを行ったりしています。

このEMDRはPE療法とは基本的なトラウマに対する考え方が異なっています。PE療法においては情動処理理論といわれ、PTSDが慢性化するのはトラウマに関連する想起刺激を極度に回避してしまったためだと考えています。一方EMDRでは、適応的処理モデルという考え方からトラウマ記憶が適切に処理されなかったため様々な病理が引き起こされていると考えています。そのため、この二つは同じトラウマをターゲットにしていても行うことは全く異なっています。

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