大きな喪失体験や長く成果が出ない状況があれば、人間誰しも落ち込みます。さらにうつ病やうつ状態となれば、強い意欲減退や億劫感がよく現れます。自分を責めやすい人はそういう自分を「自分が弱いからだ」「自分はわがままだからだ」と考えてしまい、さらに自分を追い込んでしまうことがあります。また、性格的・習慣的に「過度の反省ぐせ」が身についている人も中にはいます。そういう人は半ば無意識的に、何かあると自分への駄目出しが始まってしまいます。真面目な人に多いようです。
「自分は何をやってもうまくいかない」
「自分は誰にも好かれない」
「今の自分は全然駄目だから、早く変わらなければいけない」
たとえばこのように考えることが多いです。その思考の特徴としては、うまくいかなかった部分だけがクローズアップされて、うまくいった部分が見えなくなっていることが極めて多いです。また、視野が狭くなっていて、自分自身にだけしか意識が向いていなかったり、ひとつの視点だけにこだわっていたりすることもよくあります。たとえば、何でも自分に関連づけて考えてしまい、「自分のせいでそうなった」と考えたりします。かなり主観的な判断を下している場合が多いですし、なかなか前向きな行動につながらない場合が多いのです。
ではそのような思考から脱出するにはどうしたら良いでしょうか。ひとつは「広い視野で考えること・長い目で見ること」です。世の中に目を向ければ、自分と同様の、あるいはそれ以上の苦労を経験している人がいるのがわかるでしょう。また、すぐに現状を打開したい焦りは十分わかりますが、解決にはある程度時間を要することも多いです。できる対策は取りつつも、無理をしないで生活を整えて「待つこと」も大切です。
そして「過度の自己批判」と「自己分析」の違いを知りましょう。自己分析というのは解決のために自分の課題や強みについて事実に基づいて客観的に分析することです。現在の自分についても全否定せず、優しい目で評価できるところは評価することが必要です。過度の自己批判はそのことが自己目的化していますが、自己分析は前向きな行動につなげるためのステップです。自己分析が済んだら、実行可能な具体的な目標を立てて、少しずつ前に進みましょう。
他の対策について検討したい方は、個別のケースによりいろいろな事情の違いがあるので、よろしければカウンセリングを受けに来てください。
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