西洋と東洋における月のイメージ

カウンセリングのやりとりの中では、時にさまざまなイメージを扱っていくことがあります。一例として、今回は「月」のイメージについて簡単にお話ししてみましょう。みなさんは、例えば月のある風景を想像した時に、どんな気持ちが湧いてくるでしょうか?


今、手元の夢辞典を見てみると、月は象徴としては女性的(母性的)なもの、感情や無意識の世界を表すと書いてあります。(一方、太陽は男性らしさや知性や意識を表すと言われています)


歴史的に見ても、月は西洋では詩の題材になることが少ないようです。西洋で「月の」という意味を表す lunatic という言葉は、「狂気の」というネガティブな意味も持っています。ギリシアの時代では、「おまえは自分の頭上に月を引き下ろす」ということわざがあり、その意味するところは「みずから禍(わざわい)を引き寄せること」です。月を見て狼男に変身する話も有名ですね。かつて驚異的的な売り上げを誇ったピンク・フロイドの名盤は The Dark Side of the Moon です(若い人はたぶん知らない!)。月の暗黒面がテーマになっているわけです。日本では「狂気」と訳されました。


日本に目を向けてみましょう。平安時代に作られた日本最古の物語とされる竹取物語では、絶世の美女であるかぐや姫は実は「月の都の者」、つまり異界の人でした。月は日本ではよく詩歌でも歌われます。江戸時代の俳人、松尾芭蕉の句に「名月や池をめぐりて夜もすがら」というものがあります。「月を眺めながら池の周りを歩いていたらいつの間にか夜が明けてしまった」という意味です。芭蕉はよく月見の会を開いて、月を題材に句を作っていたといいます。この句には、美しい月を味わって時間を忘れる気持ちが表されていると思います。


「月」というテーマで古今東西の芸術を探求してみるのも面白いものです。作品の中でどのように月が取り上げられているでしょうか?あなたの月に対する感じ方と比べてみましょう。