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親しくなるのが恐い心理

トランスジェンダーの物語「ガール」で第71回カンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したルーカス・ドンという人がいます。その人が監督をした「CLOSE」という映画が今年の夏に日本で公開される予定です。内容は、「親密すぎるがゆえに波紋を呼び、その関係性に戸惑う少年たちの物語」とのこと。


今回は「親密さ」について、孤独との対比を用いて少し考察してみましょう。


人間は寂しさを感じると、人とのつながりを求めたい気持ちが生まれます。その一方で、人と親密になることを恐れる感情が、同時に存在することがあります。具体的にはどんなことを恐れるのでしょうか?


たとえば、人と仲良くなることで相手に依存しすぎたり、相手をコントロールしすぎたりして、「自分が相手に迷惑をかけてしまうのでは」と考える場合もあります。逆に、相手からそうされて、「自分の負担が増えてしまうのでは」と心配する人もいます。


仲良くなっても、「いずれ相手から見捨てられてしまうのではないか」と不安になる人もいます。拒絶される傷つきを体験するくらいなら、初めからつきあわないという選択肢を選ぶ人もいます。


多少不安や恐れがあっても人と交流したい気持ちのほうが勝れば、積極的につきあうほうを選んでいくかもしれません。


一概に言えないところもありますが、リアルな人間関係というものは、「楽しさ」とともに、ある程度の「めんどくささ」がつきものだと思います。人間関係というものは、思い通りにならないことがたくさん出てくるものなのです。親密になればなるほど、喜びも増えますが複雑な問題も生じやすくなります。


その「めんどくささ」を回避して、なおかつ人とのつながりを求める場合、現代ではSNSでのあっさりとしたやりとりを好む人も増えてきています。現在ではその回避心理にはコロナ感染の不安も混ざっていて、以前と比べて少し複雑な事情になっています。

                                葛西臨海公園より

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