カウンセリングをしていると人の話を聞いていることが多い。
だから、人の語りは日常的に私の生活の中にある。
そのため、人は自分のことを話しているように受け取りがちである。
しかし、依頼主が2週間に1回カウンセリングに来たとしても、
たかだか月に2時間だけである。
それ以外はあまり話してないのだ。
そもそも、カウンセリングに来る人も人口の何%か知らないがごくわずかである。
もちろん、家族や友人に話していることも多いだろう。
けれども、結局、語られることより、語られざることの方が多いに違いない。
人生とはほとんど語られざるものなのだ。
自叙伝を書いてもそれは要約に過ぎない。
カウンセリングで語られることは氷山の一角に過ぎない。
人生の中では火花が散るくらいの時でしかない。
意識の水面下には氷山のように無意識があるというが、
話の背景には語られざるものが広がっている。
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