高齢者とエアコン
- しまうまさん
- 6月29日
- 読了時間: 2分
最近は暑い日が続いていますね。こういう季節は外を歩くのもたいへんです。また、たとえ室内で過ごしていたとしても、高齢者が熱中症で亡くなるニュースも目にします。心が痛みますね。
ここで、東大大学院の医学系研究科の分析を見てみましょう。2013年から2023年にかけて、東京都23区内で熱中症によって室内で死亡した人に関する1295事例の分析です。それによれば、「エアコンが設置されているのに電源がオフになっていた」、「エアコンが設置されていない」というケースが全体の大部分を占めていたそうです。他には「冷房をつけているつもりで、適切に機能していない」というケースが、6人に1人ぐらいの割合であったようです。
私が思うところを書いてみますと、高齢者は一般的に、からだの温度感覚が鈍化する傾向があります。そのため、熱中症や低体温症のリスクが高いのです。これは、周囲の家族や支援者がまず把握しておくべきことでしょう。介護施設などでは、温度計をよく見える場所に設置するなどの工夫を行っているようです。
また高齢者は、リモコンの細かい表示の読み取りや、複雑な操作などに関しても、若い世代のようにスムーズにいかないことが多くあります。この点に関しては、メーカーの方々も苦労して、さまざまな工夫を試みている部分だと思います。
心理学の知見からしても、この問題は注目すべき点を含んでいます。高齢者に限りませんが、室温が上昇して快適でなくなると、注意力・ワーキングメモリ・意思決定能力が低下し、作業効率が低下します。そして気分的には、怒りや攻撃性が高まりやすくなると言われています。室温はパフォーマンスや人間関係にも影響を与えます。
からだとこころは密接につながっており、室温などの身近な環境的条件は、人のこころを考えるうえで外せないポイントの一つになりえます。
引用・参考文献
産経新聞オンライン(2025.6.24) 冷房のつもりが暖房、詰まりで風が出ず…室内熱中症死の6人に1人「エアコン不適切使用」

カルガモ( 埼玉県見沼 )
Comentarios