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#17加害者を許すということ2


みなさんこんにちは。しまうまカウンセリングでカウンセラーをしている望月です。先日TV番組を見ていてとてももやもやした思いが出てきて、前回はその話にたどり着く前に終わってしまいました。今回はそのドラマの話からカウンセラーとしての私の思いを書かせていただきます。

先日私が見ていたドラマでは、過去に父親に虐待をされていた子供が出来ていました。その子は自分の父親がDVで警察に連れていかれたことを「自分が警察を呼んだせいで父親は犯罪者になってしまった」と認識していました。そのため、仲良しのデートDVを受けている年上の女性に自分のように「好きな人を犯罪者にしないため」女性が自ら引っ越して姿を隠すように諭しました。その女性は悩んだ末DV被害を警察に相談した上で、自らを守るために引っ越しをし、転職をすることにしました。

この被害者が生活を変えなければならない状況は、DV被害者の方が置かれている現状そのものです。ここにも大きな問題がありますが、私がそれ以上に気になったのは、ドラマの中の子に「お父さんはあなたが通報をしたから犯罪者になったのではなく、そもそも誰かに暴力を振るうこと自体が犯罪で、お父さんの行為は許されないことなんだ。」という当たり前のことをしっかりと伝える大人が出てこないことでした。ドラマはその後、その子の父親自身も自らのDVに悩んでいた可能性がある「好きでDVを行っていたわけではない」という含みを持ってその回が終わりました。

ドラマだからね・・・その方がこの物語が盛り上がるから・・・・この方がこの子の健気さが際立つから・・・私の思いつかない様々な思惑が存在するのかもしれません。でも私は、ドラマだから、1回しか見ない人もいるからこそ暴力は犯罪で、どんな理由があっても正当化できないのだということをきちっとその回で伝えてほしいなぁと思わずにはいられませんでした。これまで被害者の方たちのカウンセリングをしてきた私の中には、暴力がなくなって欲しいという思いがあるのと同時に、暴力をふるう方にも理由があるのだから「加害者を許せ」というメッセージを与えてしまうことへの恐れがあるからなのだと思います。



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