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動機が大切

動機が大切だと感じている。

動機といっても動機づけのことではない。

動機はmotiveで、動機づけはモチベーション。


歴史的に初めて科学的捜査をしたのはシャーロック・ホームズである。

(フィクションだが実際の科学的捜査の先駆けだからだ。)

今風に言えば、エビデンス・ベイスト捜査である。

刑事コロンボもそういうフシがある。

しかし、エルキュール・ポワロやミス・マープルは科学でなく心理学を大いに用いている。

それも特に動機から犯人を割り出していく。動機なき犯行はないからだ。

モティーブ・ベイスト捜査とでも言うべきか。

ミス・マープルの凄いのは、ほとんど現場に行かず、人づてに話を聞いてるだけで犯人がわかるところだ。これも動機を理解すればこそだ。

不条理なドラマは食後に良くない。

ウルトラマンのようなポワロやミス・マープルがうってつけである。


動機とは何かと言うと、何のことはない、慣れ親しんだアドラー心理学の目的論である。

つまり、その目的は何なのかである。

問題行動の原因(環境、遺伝、文化、心理)ではなく目的(動機)を探るのである。

ミステリー小説で言えば誰が遺産を手に入れようとしたかだ。

私の精神分析的心理療法の師匠はホームズをいたく推奨していたが、システム論の先生は冗談めかして精神分析は「猫が鳴いても力動を考える」と言っていた。

アドラー心理学としては「猫が鳴いても動機を考える」と言われれば本望である。







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