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鬼退治

更新日:2021年2月21日

大変な人気だというので、去年の秋に「鬼滅の刃」という漫画を読みました。しぶとい鬼と死闘を繰り広げ、かなり激しいシーンもあるので正直ページをめくるのが恐い気持ちもありましたが、次の展開を見たい興味が打ち勝って、全巻読破することができました。


ご存じのように日本の昔話には鬼退治を主題としたものがあります。最も有名なのは言わずもがなの「桃太郎」ですね。鬼滅の刃も設定は大正時代ということなので、一種の昔話かもしれません。途中で出会った仲間を引き連れて鬼退治という最終目的に向かう点は、同類の昔話にもあるお決まりの展開です。


ところが鬼滅の刃では「柱」という先輩格のヒーロー・ヒロインも登場して、主人公の炭治郎は桃太郎のようなリーダーではありません。こういう点が非常に巧妙で面白いところだと感じました。年少の読者が感情移入しやすい仕掛けでしょうか。また西欧のストーリーであれば敵を倒した後はお姫様と結婚するという流れになりそうですが、鬼滅の刃では鬼になった妹を人間に戻すことが目標になっています。これはなんとも最後まで読みたい気持ちを掻き立てられますね。鬼も含めてビジュアル的にも印象的で、確かに引きつけられるものを感じる作品です。作者が謎に包まれた女性であることも興味深いです。皆さんはどう思われますか?


鬼退治の話には「こんび太郎」という昔話もあります(垢太郎・力太郎という名前でも呼ばれます)。こんびとは、汚い話ですが「垢」という意味です。長い間お風呂に入らなかった怠け者のおじいさんとおばあさんの体の垢から作られた人形が「こんび太郎」になりました。彼も仲間と出会って鬼退治をしに行きます。桃から生まれた桃太郎にしても、発生(出生)の仕方が実にユニークですね。同じ鬼退治の話でも、いろいろなイメージの違いがあります。


カウンセリングでも皆さんの好きな物語を利用したり比較したりしながら、身の上のお話を進めていくというやり方もあります。優れた作品には人間のある種の真実が描かれています。鬼滅の刃の話ならできますので興味のある方はお声掛けをどうぞ(笑)



(アオジ)



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