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肩こりの原因を探ってみると

以前、友人と会いましたときに「肩こりがつらくて整体に行ったら・・・」という話をしてくれました。新しく行ったその整体院では、体のあちこちを調べた上で「この肩こりは腰の張りから来ていますね」と言われて腰を中心にじっくりほぐしてもらい、その後肩こりの調子も良いとのことでした。「肩はほとんど触ってないのに、肩こりがすごく楽になって、とっても驚いた」と話してくれました。

こういったことは、心理の世界でもよくあることです。ご本人としては「〇〇がつらい」「▽▽が気になる」ということでカウンセラーの許を訪ねていらしたとしても、しばらくお話しているうちに「〇〇のことを話していたら、やはり◇◇を何とかしなくてはいけないと思い至った」「▽▽について改めて考えてみると、やはりこれは小さい頃の私の◎◎の経験と結びつくような気もする」というフレーズが出てくることがよくあります。私たちは、不調があればつい直接不調になっている部分を大きくとらえてそこをどうにかしようと思いがちですが、実はその不調を引き起こしている源流をたどっていくと、不調そのものから少し離れた場所に大きな水源が隠れている場合も(時には周辺に複数の水源がある場合なども)ある、というわけです。

例えば、カウンセリングの導入によって喘息や頭痛などの身体不調が軽減・改善されていくこともよく起こることです。その場合は、症状が現れているのは身体であっても、そのメカニズムを動かしている不調の源が実は心の中にあって、カウンセリングによって身体不調の源となっていた大きな課題が解決・緩和されて症状も軽減したと理解することができます。不調を生み出すメカニズムについては、心理検査などの心理アセスメントから示唆される場合も多いので、カウンセリング開始時の丁寧なアセスメントも欠かせません。

…というわけで、「腰をほぐしたら、(肩は触っていないのに)肩こりが治った!」というような出来事は、カウンセリング・ルーム内でもよく起きる、というお話でした。



    


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