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世界を分割する
心の中の分割を考える。
15 分前読了時間: 3分


マリー・アントワネットが言ったこと
7月14日はフランスの革命記念日です。1789年のこの日、パリ市民がバスチーユ牢獄を襲撃したことが、革命の起点になったことを記念しています。同時期に興った産業革命、そしてボストン茶会事件を発端とするアメリカ独立とともに、18世紀後半は現代社会のアウトラインが形成された時代でした。 ここで取り上げたいのは、この画期的な出来事の中ではほんのトリビアルな一齣です。マリー・アントワネットがパリの騒乱を聞くと「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言った言葉が伝わっています。そしてこれが事実ではなかったということです。 このほかにも事実とはとても思えない逸話が、特にヒーローには残っています。たとえば、デイビー・クロケットが三歳でクマを退治したとか、源義経が壇ノ浦で八艘跳びを披露したとか。 私たちは物語を、特に面白い物語を求めています。いっぽう私たちの記憶は脆いのです。私たちは、出来事の一部始終をつぶさに目撃し、忠実に記憶しているわけではありません。出来事の進行のなかでところどころ欠落していたり、あやふやな箇所を適宜補っています。そしてその補完
7月14日読了時間: 2分


なんとなく
なんとなくこっちを選ぶ。なんとなくここに来た。なんとなく良い気分。積極的、意識的というわけではないが「なんとなく」という心の働きがあるでしょう。中原中也は「月夜の浜辺」でなんとなく拾ったボタンを以下のように書いています。「それを拾って、役立てようと 僕は思ったわけでもないが なぜだかそれを捨てるに忍(しの)びず 僕はそれを、袂(たもと)に入れた。」 私も小学生の4年生のときに海水浴に行ったときに拾ったものがありました。平べったいが少し湾曲した直径15センチほどの石でした。ただ黒光りをした面白い形だから持ち帰っただけですから、「役立てようと思ったわけでもない」ものでした。しかし、しばらくしてデパートの屋上で小さな亀をせがんで、買ってもらうと、ちょうど亀ちゃんの家の屋根になりました。 文化人類学者レヴィ=ストロースは、なんとなく手元にとっておいて後で何かに役立てることを「ブリコラージュ」と名づけました。日本語では「器用仕事」と訳されることもあります。「なんとなく」は、あえて言えば、「手ごたえ」や「予感」があると言えるのではないでしょうか。役に立つ
6月30日読了時間: 2分


渋谷の四半世紀
高層化が進み空が削られていく渋谷。変化の中で失われる“余白”の大切さを見つめる。
5月27日読了時間: 2分


コンクリート、鉄、そしてガラス
都市を形作る主な素材は、コンクリート、鉄、そしてガラスでしょう。特に東京のような巨大都市では、この素材の複雑な組み合わせが果てしなく続いています。その中で街路樹と交差点の一角に設けられた花壇などの有機物がわずかに生き残っています。私たちは都市を機能的に無機質に冷たく作り上げています。 都市は文明の所産ですから、コンクリート、鉄、そしてガラスは、シリア、アナトリア、メソポタミアなどの西アジア地域における発明品のようです。なるほど、文明の発祥の地から人類は都市の素材を活用してきたわけです。無機物であるこれらの素材は、燃え難く、適切に扱えば堅牢で、長持ちします。 対する私たちは有機物で出来上がっている生き物なので、脆く、また儚い存在です。文明を構築するはるか昔、私たちの祖先は、樹上にいてそこで生ずる果実に恵まれて命を繋いできました。有機物とともに生活した時代から無機物を手に入れてそれを利用する時代の移行が人類の生活を一変したと言っても良いと思います。このことではハリー・ハーロウの実験を思い出します。アカゲザルの赤ん坊が、二体の母親の人形の前に置かれ
4月26日読了時間: 2分


春の歌
古今東西の春の歌を通して春という季節を考える。
3月28日読了時間: 2分


迷いがないAI
この2、3年の間にAIが世間一般の話題にのぼるようになりました。AI、人工知能と訳されるこの言葉は、かれこれ70年ほど前に生まれました。人工知能の「知能」とは何かという問いに対して、コンピューターを構想したチューリング自身が、回答を用意しています。ある人物が、誰だか分からない対話者に対して、「相手は人であると判断したときその対話者は知能がある」というチューリングテストを考案しました。1960年代に入ってワイゼンバウムが作成した“ILIZA”というプログラムが早くも人間であると判断された記録が残っています。その後AIのブームがいくつかあり、また下火になりました。 私たちが、現代のAIに再会するのは、ChatGPTが2022年にインターネット上で運用され始めてからでしょう。このAIはその名にふさわしい洗練された知能を備えているようです。日常的な質問、「渋谷でドイツからの30代の女性研究者とくつろいで会食できる和食レストランは?」にも、「今年ニューヨーカーの間で受けそうなスニーカーは?」などに対しても、とても気が利いた回答をしてくれます。その他にも大
2月27日読了時間: 3分


意味を探す
子どもの頃の聞き間違いやタモリの「空耳アワー」「でたらめ外国語」を通して、人が無意識に「意味を探してしまう」性質を描く。
2月5日読了時間: 2分


新しい年と次の25年
新しい四半世紀の初めとなる年に臨み展望を語る。
2025年12月27日読了時間: 2分


ハロウィンの昨日、今日、明日
ハロウインからバフチンのカーニバル論を考察する。
2025年10月28日読了時間: 2分


月を指さす
漱石が中学や高校で英語の教師をしていたころ“I love you.”を「月が奇麗ですね。」と訳しなさいと生徒に言ったという逸話があります。しかし、出典が見つからないらしく、一種の都市伝説なのだろうということになりました。この話は漱石云々というよりも愛の伝え方として英語と日本...
2025年9月24日読了時間: 2分


ランキングについて
YouTubeを観たり、インターネットの記事を閲覧すると〇〇ランキングに目が留まることがあります。ここ2,3か月の間に見かけたのは「私立大学人気ランキング」「昭和の美女ランキング」「うどんがうまい県ランキング」などです。ちょっとどうなのと思うのは、「やめて欲しいテレビ司会者...
2024年12月23日読了時間: 2分


雨の日と月曜日に
カーペンターズの懐かしのヒット曲の中で「雨の日と月曜日は憂鬱になる」と歌われています。雨は自然の天候、月曜日は社会で決めたこと、憂鬱の由来は異なりますが、確かに憂鬱な気持ちになる人も少なくないでしょう。天気と人が抱いている気持ちは同じ「気」ですから強く関連しています。北ヨー...
2024年10月28日読了時間: 1分


陰陽師
「光る君へ」に出てくる陰陽師について考えてみました。この時代は華やかな、雅びやかな王朝貴族の暮らしぶりが光を放っていました。しかし、光は政敵との駆け引き、騙し合い、裏切りという影を生みます。武士が台頭して来た平安末期まで、京都や近郊において大規模な合戦は起こりませんでした。...
2024年10月24日読了時間: 2分


物語を書くこと
今年の日曜日の夜はNHKの「光る君へ」の中で紫式部の生涯が描かれています。ドラマの中で紫式部(まひろ)と和泉式部(あかね)との会話がありました。あかねは敦道親王との思い出を綴ったと言いながらまひろに原稿を手渡してから、「書くことで己の悲しみを救う」のだと述べます。これはまひ...
2024年10月9日読了時間: 2分


日本語を感じる
私たちの身体の名称、たとえば、鼻、目、歯、腹などは、大地やそこに見られる花、芽、葉、原などと同じ音です。これは偶然なのではなく、元はいっしょの言葉であることを示しています。つまり、大地は大きな身体なんだと思いいたります。...
2024年9月12日読了時間: 1分


人はなんとなく
人はなんとなく何かをすることがあります。なんとなく近くの公園の桜を見に行く。街を歩いていてなんとなく雑貨屋に立ち寄る。部屋の本棚の昔読んだ小説をなんとなく読み返す。ところが、その「なんとなく」によって、人生が展開することがあります。...
2024年4月13日読了時間: 1分
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