コンクリート、鉄、そしてガラス
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都市を形作る主な素材は、コンクリート、鉄、そしてガラスでしょう。特に東京のような巨大都市では、この素材の複雑な組み合わせが果てしなく続いています。その中で街路樹と交差点の一角に設けられた花壇などの有機物がわずかに生き残っています。私たちは都市を機能的に無機質に冷たく作り上げています。
都市は文明の所産ですから、コンクリート、鉄、そしてガラスは、シリア、アナトリア、メソポタミアなどの西アジア地域における発明品のようです。なるほど、文明の発祥の地から人類は都市の素材を活用してきたわけです。無機物であるこれらの素材は、燃え難く、適切に扱えば堅牢で、長持ちします。
対する私たちは有機物で出来上がっている生き物なので、脆く、また儚い存在です。文明を構築するはるか昔、私たちの祖先は、樹上にいてそこで生ずる果実に恵まれて命を繋いできました。有機物とともに生活した時代から無機物を手に入れてそれを利用する時代の移行が人類の生活を一変したと言っても良いと思います。このことではハリー・ハーロウの実験を思い出します。アカゲザルの赤ん坊が、二体の母親の人形の前に置かれます。一体はタオル布でできた柔らかいお母さん、もう一体は哺乳瓶がくっついた針金のお母さんです。赤ん坊はミルクを飲むときだけ、針金お母さんのところに行きますが、残りの時間はタオルのお母さんといっしょにいました。私たちはもともと有機物と暮らしたいのです。
インフラストラクチャーも含めて、道路やビルなどの建造物が、堅牢であり、また耐用性も信頼性も高いもので作られるのは当然と言えるでしょう。コンクリート、鉄、そしてガラスは、まさに都市と私たちの生活を支える頼りになる素材です。そのいっぽうで冷たさ、よそよそしさも感じさせます。誰もが都市の「渇き」を癒す温かいもの、柔らかいものを必要とするでしょう。「休」は、人と木からできています。よくできた漢字だと思います。






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