今、中村梅之助の「伝七捕物帳」をやっている。
鬼平を超える合計190話に達する本数からも人気の程がうかがえる。
多くの作家が書いた連載が映像化されたからできたのだろうが、
多すぎて見切れず録画を溜めている。
全く知らなかったのだが、最近、息子の中村梅雀さんが演じたリメイク版の方は見ていた。
中村梅之助と言えば初代「遠山の金さん」の印象が強烈である。
祖父母と見た記憶がある。
どうしても「金さん」は中村梅之助さんでないとだめなのだ私は。
その梅之助さんが金さんになる前に長らく「伝七」だったという過去は知らなかったので驚きだった。
中村吉右衛門と同様で中村梅之助も顔が実にいい。
鬼平が山の手だとすると、伝七は下町である。
主題歌は盆踊りのような歌だが、黒門町とか下谷とかの地名が郷愁をそそる。
(黒門というとロードオブザキングに出てくる怖い黒門が連想される)
話も犯罪物というより人情物に近い庶民派である。
毅然として内に厳しさと憐れみを秘めている鬼平に対して、
伝七は頼りになる懐の大きさと、親しみやすくて安心できる暖かさがある。
見ていて心の力が増すような顔なのである。
イケメンがもてはやされている昨今だが、こういう顔はまずいない。
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