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精神科の診察時間

何か困ったことが起きて、意を決して初めて精神科や心療内科を訪れた人が抱く感想とはどのようなものでしょうか?実際に尋ねてみると、受診する前に思っていたイメージと、受診してみて感じたことのギャップを不満げに語る人が一部いるものです。


「あんなに人が来ているのですね」と待合室の患者さんの多さに驚く人もいます。「薬を出されるだけですぐ診察が終わってしまいます」と少し落胆して言う人もいます。待合室で長時間待機するわりに、診察があっという間に終わることを嘆く人もいます。


精神科・心療内科の診療時間が短くなってしまうのは、デメリットや批判の余地ももちろんあるとは思いますが、現在の患者数の状況や医療システムではやむを得ないところもあります。医師の先生もかなり頑張っていることは間違いないと思います。


一方、精神科医の先生とゆっくりお話ができると思い込んで受診した患者さんは、診察時間がおおむね5分から10分程度で終わってしまうのは、全然足りないと思うことが多いようです。医師に聞きたいことをあらかじめ紙に簡潔にまとめておかないと、短い時間に全部質問できないと感じる人もいます。具体的な生活のエピソードを細かく話している余裕はあまりありません。


もっとも、初診の場合は通常は20~30分程度の比較的長い時間を取ってもらえます。さらに、重症者の人に対してはさらに長い時間を割いてもらえることもありえます。もちろん、当日の病院の混雑状況や精神科医の先生の診療のやり方によっても個人差はあるため、一概に言えないところもあります。


もっと長い時間、話をしたい人にはカウンセリングを勧められることがあります。カウンセリングでは1コマの予約であれば通常45~50分程度の時間をかけて、自分のペースで身の上を語ることができます(機関によってはもっと短い時間のカウンセリングを実施しているところもあります)。これはカウンセリングの最大のメリットの一つです。医師の診察とカウンセリングのどちらがいいという問題ではなく、役割分担の話だとも言えます。


カウンセラーもその時間の枠の中であれば、相談する人のペースを尊重して耳を傾け、つらさに寄り添い、きめ細かな対応をすることが可能です。相談室の内装や椅子・テーブルなども、ゆっくりと自分の気持ちに向き合えるような雰囲気に工夫されていることが多いものです。時間をかけて話をしたい方は、カウンセリングの利用を考えてみてはいかがでしょうか?


シロハラ 谷津干潟にて

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