外向性に価値を置く考え方の是非

積極的に人前に出ていき、人づきあいが上手で、友達の数が多いひとは外向的な性格だと言われます。例外もあるとは思いますが、われわれの生きている社会では通常、外向的な人の方が内向的な人よりも評価されやすい傾向があります。


外向性に価値を置く文化。これを「セールスマン的文化」と称する人もいます。セールスマンとは日本語にすれば外交販売員ですが、優秀な外交販売員に必要な資質とは、人との関わりという点では顧客の気持ちをつかみ、信頼される能力と言えるでしょう。対人配慮性やコミュニケーション能力と言い換えることもできます。自分の言動が他人の目にはどう映っているかを常に察知して、相手に良く見えるように気を使わなければなりません。


内向的な人は関心やエネルギーが外ではなく内面に向かっているため、対人関係に関してはあまり積極的ではないところがあります。もちろん気の合った親しい人とはうまくやれる人も多いです。しかし外向的な人たちから見ると、気難しい孤独な人とネガティブな評価を下されてしまうこともあります。実際は内向的な人は、思慮深かったり、控えめであったり、落ち着いていたりする性質があり、実はこのような資質が発揮できる仕事もたくさんあるのです。


私たちは知らず知らずのうちに、外向性を重視しすぎる考え方に陥ってしまっていることがあります。ところが外向性だけにあまりに価値を置きすぎると、問題が生じる可能性があります。世の中にはいろいろな人がいるからです。「外向性が良いもので内向性が悪いもの」などと考えられるほど人間は単純ではありません。「人はみんな外向的でなければならない」とか、「内向性は必ず克服しなければならない」という考え方はある意味傲慢で極端な捉え方だと思います。内向的な人がそのような考え方にとらわれてしまうと、自分を必要以上に苦しめてしまうことにもつながります。


外向的性格と内向的性格はどちらが優れているというものではなく、それぞれに良いところがあり、対等なものです。どちらも世の中に必要な人間のあり方だと思います。

                        アオスジアゲハ(水元公園にて)