コロナ禍によりインターネットを使ったオンラインカウンセリングが世の中に急速に拡大することになりました。しまうまカウンセリングでもひとつの選択肢として、Zoomによるオンラインカウンセリングを受けることができます。
実は、世の中に出現してきているカウンセリングの新しい形態は、Zoomを使ったオンラインカウンセリングだけではありません。驚いたことに近年はメールやチャットを使ったオンラインカウンセリングに加え、専用のゴーグルをつけてアバターを操作したりする、VR(仮想現実)を利用したカウンセリングの試み、また、ロボットを利用したカウンセリングの試みも出てきています。心理臨床の未来を切り開くために努力されている研究者や臨床家の方々がいらっしゃいます。
今の時代は、特に若い世代を中心としてIT技術の世界の方に親しみを感じる人が増えています。ひょっとすると伝統的なリアルな対面カウンセリングより、新しい形態のオンラインカウンセリングの方がアクセスしやすいという人も少なくないのかもしれません。特にコロナ禍という特殊な状況の中では、オンラインカウンセリングはかなり有力な手段になり得ると思っています。
それらの新しい方法は限界を認識したうえで使われるならば、対面カウンセリングへの橋渡しの機能を果たすものとして定着していく可能性はあるかもしれません。しかし、カウンセリングは生きた人間どうしがお互いの存在を感じながら対話する営みであると考える私にとっては、正直に言うとそれらをどう受け止めたらいいか戸惑う部分もあります。
微妙な言語感覚や、情緒的・非言語的コミュニケーションがどれだけ成立するか疑問な点がありますし、今後十分な効果検証が行われるのを待つことも必要です。カウンセリングはAI(人工知能)には真似できないかもしれない人間の最も繊細な部分に関わるものです。それは創造性や感性という、人間を人間たらしめる重要な領域です。新しい手法を開発するにしても、伝統をよく理解したうえで行うことが必要です。そうでないと本質から離れた方向へ進んでいってしまう懸念があります。未来のカウンセリングは一体どうなっていくのでしょうか?
(牛久沼のトンビとカラス)
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