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AIとカウンセラーの違い

更新日:4 分前

今回は10代の男の子や女の子に向けて、わかりやすいお話をします。最近はとくに若い人を中心に、AIに何でも答えを求める人が増えているようです。確かに、知識など一般的なことがらになればなるほど、AIはインターネット上にある一定のデータにもとづいて的確な答えを出してくれることが増えてはきています。とても便利な道具ですよね。


いちばんはっきりしている例は、算数や数学の問題などがありますね。AIであれば瞬時に正確な答えを導き出してくれます。数字などの明確なものを、決まった手続きに従って回答に導くような質問には、AIはすごい力を発揮するのではないでしょうか。(自分で解かないといけないときは、AIは使わないでくださいね)


しかし、カウンセリングで取り扱われるようなテーマは、ふつう人ごとに違う内容になりがちで、その背景も複雑なことが多いのです。そこで使われる言葉がふかい意味を含むこともあり、あいまいな言い方になることもあります。場合によっては、答えがすぐに見つからないことをカウンセラーと一緒に考えていくこともあります。


カウンセリングでの会話はいろいろあるわけですが、次のような感じでやりとりが進んでいくことがあります。私が今作った例になりますが、挙げてみましょう。学校でのトラブルについて話している場面です。


「たいへんでしたね!そのときどう思いました?」

「…うーん、そうですね…何と言うか…もう、うわーって感じです」

「びっくりした感じ?そんな感じで合ってる?」

「…ていうか…それもあるんだけど…もっとぐちゃぐちゃな…何とも言えない」

「いろんな気持ちがね…まさに…うわーって感じで……ほんとそうなるよね」

「ほんとに(笑)やばいです」


気持ちを難しい言葉で説明している感じではありません。しかし、言い方や表情などの力も借りて、意味するところが通じ合っているような場合です。ケースにもよりますが、この後の会話で「ぐちゃぐちゃ」の意味がもっと明解になってきて、話している人も今まで気づかなかった自分の気持ちに向き合えることもあります。


この種のやりとりになると、AIでは難しいのではないでしょうか。対面カウンセリングの良いところとは、まさにこのような会話ができることが大きいと思っています。ふつうカウンセリングは、難しい知的な言葉を話す場所ではありません。ふだんの言葉で実感を込めた会話ができると、悩みが少し軽くなることがあります。カウンセラーも、悩んでいる人が実際にどんな気持ちを感じたのか、興味を持って一緒に探っていきます。


水面に浮かぶホシハジロ
水面に浮かぶホシハジロ

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