前回の(1)では、頑固と言われる人の特徴と対応法について考えてみました。今回はさらにそれを発展させて考察してみたいと思います。
頑固という言葉の意味を調べてみると、「かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと」と説明されています。すなわち、あなたがある人を「頑固」であると感じる時は、その相手を自分の思うように変えたいと思っている場合が多いと思います。
相手に指示したり説得したりしても、無視されたり反発されたり、はぐらかされたりして一向に相手に期待する変化が生じないにもかかわらず、ひたすら同じ方法で相手を変えようとするパターンを繰り返している場合もよくあります。こうなると膠着状態となり、お互いに疲れてきてしまいます。
そういう時は、自分のアプローチを変えてみて、虚心に相手の言い分をゆっくりと聞いてみることが大切です。相手の思っていることを傾聴してみると、意外に「一理ある」と感じることもありますし、もちろん、「やはり納得がいかない」と感じることもあると思います。しかしいずれにしても、相手の感じ方を聞いて確かめてみることは信頼関係を作るためにも役に立ちます。
その上で、自分が相手を性急にコントロールしようとしていたことを再び考え直さなければいけない場合もあります。あるいは、相手に変化が期待できないことを確信し、自分の方針や距離の取り方を変えていかなければならない場合もあります。さらには、相手の言い分を聞くことをもっと継続して様子を見ていこうと考え直すような場合もあると思います。
相手の主張を落ち着いて聞いてみると、自分には考えられないような「新しいものの見方」を教えられることも、実は大変多いのではないでしょうか。自分が苦手に感じている人は、もしかすると自分に欠けていたものを教えてくれるありがたい人になる可能性もあるのです。
さまざまな状況があるとは思いますが、カウンセリングではより具体的なエピソードをお聞きしながら、個別的な実情に即した対応法を考えていくお手伝いができると思います。
(葛西臨海公園のホシハジロ)
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