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私のアプローチ⑧

EMDRについて1 

みなさんこんにちは。しまうまカウンセリングでカウンセラーをしている望月です。前回はちょっと一休みで、先日行ってきた研修についてご報告しましたが、今回は本筋に戻って私のカウンセリングで用いているアプローチや心理療法についてお話をさせて頂いています。

今回からは、私にとってのワイヤレスイヤホンや圧力鍋のような「これを買う前と買った後が見違えるように生活が変わりました」というアプローチについてお話させていただきます。

それは、EMDR(眼球運動と脱感作と再処理)と呼ばれるものです。この療法はアメリカのフランソワーズ・シャピロ先生が作られた、アプローチです。このEMDR、先程述べたように私にとっては圧力鍋やワイヤレスイヤホンのように便利で大事なカウンセリングの道具ですが、とても面白いのがこのEMDRができた時のエピソードです。今回はそこからご紹介させていただきますね。

当時、シャピロ先生は乳癌の治療も終わり、でも終わったからこそ「再発したらどうしよう」という不安に襲われる毎日を過ごしていたそうです。そんなある日公園を散歩していたら「あれ?今私不安がない」という瞬間がやってきて、「今私何をしていたの?」と言うことになりました。するとシャピロ先生不思議なことに眼球を左右に動かしながら散歩をされていたことに気がつき、「これは何?目を左右に動かすことにどんな効果があるの?」という疑問を持ち、周りの方に同じようなことを試してもらったところその人達も頭に浮かべていた苦痛がなくなると言う不思議な体験をされたそうです。そこから「この左右の眼球運動の効果って何?」と大学に戻り研究をされて、EMDRという心理療法が出来上がりました。こんな風に創始者自身が自分で試す過程で偶然見つかる療法って面白いですよね。

今では、眼球運動だけでなく音や皮膚などの感覚でも同じ効果があることや、ただ闇雲に目を動かせば効果があると言うわけではないことが明らかになっています。ですので、ご自身で試すことはお勧めしません。効果がないと言うこともありますが、効果が出る過程で一時具合が悪くなることがあります。EMDRはその後、様々な研究や臨床現場を経て今では日本を含め世界中に広まっております。その様々な効果については次回からお話ししていきたいと思います。

先日シャピロ先生が亡くなったとのことで、EMDRに恩恵を受けているカウンセラーの一人として心からお悔やみを申し上げます。

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