力の抜けた対話も歓迎
- しまうまさん
- 7月28日
- 読了時間: 2分
悩んで相談機関を訪れる人は真面目な人が多い、というような話をどこかで聞きました。もちろん、実際はかなり多種多様な性格の方々がいらっしゃるわけです。
しかし、真面目というか、きわめて真正面からものごとを考えたり、受けとめたりする傾向が強い人の割合は、多いのかもしれないなとは何となく感じます。私は森田療法なども行っているので、細かいことを気にしやすい傾向の人と出会う機会が多いからかもしれません。
真面目な人は、人の意見を参考にする場合でも、あえて難度の高い方法を試そうとしたりします。何か課題を作るにしても、最初から大きな活動をイメージしがちです。課題の継続にしても、「毎日やらなきゃいけない」などと固定的なルールを決めるような場合もあります。
真面目な性格はすばらしいことですし、上記の態度は、課題に取り組むモチベーションの観点から見ると、たいへん意欲的だと言えます。しかし一方で、気持ちや体調の面で無理が生じやすいとか、早い段階での中断をもたらす可能性もないとはいえません。少し力が入りすぎている感じです。
私もだんだんわかってきたのですが、人生は基本的なことの繰り返しという側面があると思っています。あまりパッとしない地味なことでも、基本的なことをしっかり継続していくと道が開けてくるとか、それが楽しくなってくるという場合があります。目立たないことの反復が、大きな力を生むのです。
たとえば、生活面であれば、規則正しいリズムだとか、栄養のある食事、そして質の良い睡眠などがありますよね。人との会話であれば、相手の話を最後まで聞くとか、キャッチボールのようなやりとりだとか、とくに公的な場面では誰かが不快に感じるであろうことは言わないとか、心身の健康に関するすごく基本的なことがあります。
しかし、ほんとうにそれらを十分に実行していますか、と聞かれると100%自信をもってYESと言える人がどれほどいるでしょうか? 基本的なことを実行するのは、けっこう大変です。
もちろん、カウンセリングで扱う内容は、生活や人間関係の基本だけではありません。それと同時に、専門的な見地からの考え方の工夫や、改善のための戦略なども当然話題になります。ただ、あまりに難しく考えてしまう人もいるかもしれず、そのためにカウンセリングを受けることをためらう場合もあるかもしれません。もしそうでしたら、どうぞ難しく考えずに、肩の力を抜いて来談されることをお勧めしたいです。私は基本的な話も好きなので、興味深くお聞きしています。








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